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1歳児の保育園利用

フランスにおける1歳児の保育園利用の効果

評価指標

効果

証拠の強さ

評価指標

2歳時点での言語

効果
証拠の強さ
評価指標

2歳時点での運動能力

効果
証拠の強さ
評価指標

2歳時点での問題行動

効果
証拠の強さ

ポイント

  • 1歳のときの保育園は、2歳時点での言語スキルには正、運動能力は効果なし、行動には負の効果。

文献選定/レビュー作成

  • 南デンマーク大学 茂木良平/株式会社サイバーエージェント経済学社会実装チーム

背景

  • 高い質の保育園や幼稚園は子供の成長に良い効果があることが知られているが、これらの研究はアメリカや英語圏からの知見が主で、また3~5歳の子供を対象にしていることが多い。
  • フランスの保育園や幼稚園は、高質で、政府により助成され統一されているため、研究対象として適切である。

介入

  • 1歳児の保育園(crèche)利用

評価指標

  • 2歳時点での言語と運動能力、子供の問題行動

分析方法

  • 操作変数法

証拠の強さ

  • SMS: 3
  • 根拠
    • 操作変数法により、介入群と非介入群の属性の差異が考慮されている。さらに出生という外生的な変動を利用した準実験的なデザインにより、介入群と非介入群の比較可能性が提示されている。

サンプル

  • 2011年に生まれた18,329人の新生児を対象にしたパネルデータによるコホート分析。
  • 全ケースから分析に必要な変数に欠損のあるケースを除き、11,987ケースが分析サンプル。

結果

  • 1歳のときの保育園は、2歳時点での言語スキルには正、運動能力は効果なし、行動には負の効果。
  • 言語能力への効果は特にな逆境にある家庭(低学歴、移民、低収入)の子供に見られた。
  • 1歳のときの保育園利用による効果は、親や家族、近所の人による育児と比較するとより大きく、保育ママ(assistante maternelle)やナニーとの比較だと少なかった。

研究の弱点

  • アウトカム指標(特に運動能力)は妥当でない可能性もあり、もう少し様々な角度で検証されるべきかもしれない。
  • 1歳から2歳までの期間での分析なので、2歳時点に見られた効果がその後も続くかはわからない。
  • 他のパネルデータと同様にパネルが進む度にサンプルが減ってしまう。特に逆境にある家族が回答しなくなる傾向にあるため、今回見られた効果は過小に見積もられているかもしれない。

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