夫婦の家事育児分担

背景

• 夫婦の平等的な家事育児分担は妻の出生意欲を高めると先行研究で明らかになっている。
• しかし、この関係は妻の学歴によって異なる可能性があり、学歴によってどう異なるかについては見られていない。
• 東アジアにおける知見も少ない。

介入

• 夫の育児分担割合
• 20％以上を閾値として分析

評価指標

• 妻の出生意欲

分析方法

• 傾向スコアマッチング

証拠の強さ

• SMS: 3
• 根拠
  • 傾向スコアマッチングによるサンプルバイアスの補正をおこなっている。

サンプル

• 18歳以下の子どもが一人でもいる既婚女性（3564ケース）

結果

• 高学歴女性の夫は、家事育児分担がもっとも平等的だった。
• 夫の育児分担は妻の出生意欲を高めたが、家事分担は影響が見られなかった。
• この夫の育児負担と妻の出生意欲の関係は、高学歴の第一子を持つ妻で顕著だった。

研究の弱点

• 家事育児の時間配分のみを考慮しており、それらの質については考慮できていない。
• 今回データで得られるのは、妻からみた夫の家事育児時間である。

書誌情報

• Cheng, Y-H. A. & Hsu, C-H. (2020). No more babies without help for whom? Education, division of labor, and fertility intentions. Journal of Marriage and Family, 82(4): 1270-1285.