小学校における現代的指導法
個人による反復暗記とグループワークでの議論やプレゼンテーションを主体とする講義スタイルが成績に及ぼす効果
- 評価指標
数学と国語の点数
ポイント
文献選定/レビュー作成
介入
- グループワークでの議論やプレゼンテーションを主とする現代的指導法
評価指標
分析方法
証拠の強さ
- SMS:2
- 根拠
- 授業スタイルは教師によって内生的に決定されておりランダム化していない。
- 前後比較がない。
サンプル
- スペインの368校の小学校の4年生12,113人、教師・クラス数は736。
- クラス分けはランダムに行われていないが、著者はクラス分けにバイアスが見られないと主張している。
- サンプルの条件
- 数学と国語のスコアのデータがどちらもある生徒
- 1クラスの人数が5人未満でないクラス
- テストを受けた上で生徒本人とその教師がアンケートに回答している生徒
- 教師が少なくとも数学か国語のどちらかを教えているクラス
- ジェンダー、生徒の両親の学歴、教師の勤続年数や教えている科目といった基本情報に欠落がない生徒
結果
- 現代的指導法の傾向が10%増加するとテストスコアの標準偏差が3.4%増加する(5%水準で統計的に有意)。伝統的指導法の指標が10%増加するとテストスコアの標準偏差は2.6%減少する(5%水準で有意)。
- 現代的指導法の場合学力向上に有利に働くが伝統的指導法の場合不利に働く。その影響は生徒によって報告された場合の方が教師によって報告された場合と比較して大きくなる。
- 教師の性別や勤続年数は生徒の学力と相関はないが教師の学位と生徒の学力には負の相関がある。教師が大学院に行っている場合小学校教育においては不利に働くことが多い。
- 今後は生徒と教師の二つの主観だけでなく第三者の視点も交えた評価が必要になる。
研究の弱点
- 授業スタイルはアンケート結果に基づいているが生徒と教師の回答が必ずしも一致しているわけではないので不正確な可能性がある。
書誌情報